幼なじみ〜first love〜

車から降りると、夜景が綺麗に見える丘の上だった。




「わぁ…すごい……」




「穴場スポットやろ?車運転するようなって、偶然ここ見つけたんや…」




「…ロマンチック」



「絢音に絶対に見せたいってずっと思うてたんや」




街中の夜景をひとり占めしてる気分になった。




「こんな景色見ちゃうと、本当にうちらなんて、ちっぽけだなって思うよね…」




「そやな…」




少し肌寒いなと感じた瞬間、何も言わずに遊也は、着ていたスーツを脱ぎ、あたしの肩にそっとかけてくれた。




「遊也が風邪引いちゃうよ…?」




「俺は強いから平気や…アホやし風邪ひかへんよ」




「アホだけど、ダメだよ……」




ワイシャツだけじゃ絶対に寒いのに。




「ほんなら…おまえが暖めてや…」




夜景を見ながら、遊也はあたしの肩を抱き寄せた。




「くっついてたら…暖かい?」




「うん…暖かいで…」






弱さも甘えも



あたしの全部を

包み込んでくれる




優しさで、キスで

愛してくれる




彼は本当にいい人


だけど…言葉にできない




あたしは“好き”

たった二文字が言えない




こんなに優しい人

どこにもいない




それでも言えない

嘘をつけない




本当に遊也を好きになるまでは




遊也に嘘は言えない




ごめんね…遊也




こんなにそばにいるのに………