幼なじみ〜first love〜

絢音の声が

聞こえた気がした




「……蒼…っ…!」




こんなとこに

アイツがいるわけねぇ……




絢音とは

二度と逢わないと




別れたんだ……




アイツを傷つけたんだ……




なのに…


何でいるんだよ…っ




「……蒼…っ」




踏切の向こう側に、絢音は立っていた。




俺は咄嗟に、絢音に背を向けた。




「…蒼…っ!待って…!!」




絢音が俺を、必死に呼び止める。




俺は、背を向けたまま立ち止まり、目を閉じた。




もう二度と…


逢わないはずだった……




なのに……




逢いたいと願っただけで




おまえは

俺の前に現れた




「…どうしてだよ……」




俺が静かに呟くと、後ろから絢音が、勢いよく抱きついてきた…――。




「蒼…っ…行かないで……――」