“それとな…蒼。…ケンと美々に言うてしもーたんや…”




「………そっか」




“……悪いな…。ケンが今、おまえんとこ向かってんねん…”




「………わかった。遊也…ごめんな。おまえにもこの何年間か、ツラい思いさせちゃったな…誰にも言えなくてツラかっただろ…？」




“一番ツラいのは、蒼やろ？俺はほんまに…”




「ごめんな……」








俺は、ただ…謝ることしか出来なかった。




遊也を巻き込んだのだから……




そばにいた仲間…そして好きな女にまで…嘘をつかせたのは俺。




遊也…本当にごめんな……




“…せやけど蒼…、俺な…ケンにも美々にも話してもーたんやけど…“あの事”だけは、ケンと美々に言うてへんから……”




「……あぁ。それで十分だよ…遊也…」




絶対に知られてはいけない…




“あの事”だけは……――




誰にも……永遠に……




知られてはいけない……―――。