身体を揺すられて、俺はハッと目を覚ました。




白い天井…現実か




ここは、俺と沙羅が暮らしている部屋だ…




また夢を見たんだ




目の前には、沙羅の心配そうな顔があった。




「………沙羅」




夢だ…




落ち着け…俺




“また、うなされてた”




沙羅は、白い紙にそう書いて、俺に渡した。




「…大丈夫だよ、何でもない」




俺は、沙羅に微笑んだ。




「…もう朝か…沙羅、大学行く時間だろ?」




コクンっと頷く沙羅は、まだ俺を心配そうに見つめていた。




沙羅の手が俺の頬を撫でる。




「もう行かないと…遅刻すんぞ?」




俺は、沙羅の身体をぐいっと引き寄せ、抱き締めた。




「俺は大丈夫だから…早く行けよ…」




何度も

何度も




夢に出てくる




俺の犯した罪……―――






バタンっ……―――




沙羅が出掛けた後すぐに、インターホンが鳴った。




ピンポーン…―――




「沙羅?なんか忘れ物……か……?」




ガチャ…―――




ドアを開け立っていたのは、今一番、会いたくない人物だった。




「…何の用ですか?」




俺は、目を細めて言った。