幼なじみ〜first love〜

絢音と最後に会った日から2ヶ月以上が経っていた。




俺から連絡するって約束していたから、きっとまた不安にさせてしまっているに違いない。




母ちゃんが死んだこと…心配かけたくないけど…




そろそろ言わなきゃいけないと思っていた時だった。




ピリリリリ…―――♪




その時ちょうど、携帯が鳴った。




『ピッ…はい…』




“蒼…?俺や…”




『うん…遊也…』




“…何て言えばいいんやろか…ほんまに…すまんかった…”




電話越しでも、頭を下げているんだろう…




遊也はそういうヤツだから




“蒼を裏切るようなことして…許してもらえるなんて思ってへんけど…でも…”




遊也は絢音を抱いた。




それは絢音が、絢音の父ちゃんと俺の母ちゃんの関係を知った日…




『…もう…忘れた』




“どしたんや…蒼…?怒れや…おまえは絢音のことになったら周りなんか見えなくなるぐらい…絢音のこと好きやろ?!”




『…そばにいてやれなかった俺が悪い』




“せやけどおまえはアメリカおるんやから仕方なかったやんか…って俺がこんなん言える立場やないな…すまん”




『俺は遊也と友達やめるなんて、思ってねぇから…』




“蒼…許してくれるんか?こんな最低なことした俺のこと…何で友達だなんて言えんねん…”




『許すしかねぇだろ…?絢音も遊也も…ケンも高梨も…俺には大事な人間だから…』




人を責めても

憎しみや悲しみしか




生まれない




理不尽で許せない




それなら

自分のせいにした方が

ずっとラクだった




自分のせいなら

仕方ないって思えるから




これが俺の

自己防衛なのかな





受け止める

許す




そしたらまた




人に優しくできる




その方がずっと

いいって
そう思ったから……