部活も終わり、制服に着替えて、ケンと俺は校門へ向かって歩いていた。




「はぁ〜疲れたなぁ……」




俺がため息をつくと、ケンは俺の背中を強めに叩いた。




「久々の部活だしな。でも蒼めちゃくちゃがんばってたじゃん!先輩たち褒めてたぞ?」




「頑張って、絢音に試合見に来てもらいたいんだよ」




「健気だね〜おまえは」




ケンと笑いながら話していると、後ろから誰かに肩を掴まれる。




「蒼くんっ!」




出た…!夏川栞……




夏川は満面の笑顔で、後ろに立っていた。




「蒼くん、一緒に帰ろう?」




夏川は、俺の左腕に自分の腕を絡めてくる。




「……何で俺が?」




「女の子ひとりじゃ…夜道危ないじゃない?怖いんだもん…」




何でマネージャーになったんだよ。しかもそんなに暗くねぇし。




俺の腕に絡みつく夏川の腕を、無理やりほどいた。




「ケン、マネージャー送っていってやれよ。んじゃ、お疲れ〜」




ケンに任せて俺は、猛ダッシュでその場を離れた。




「ちょっとぉ〜!蒼くん、待って…」




夏川の声を無視して、俺は走り続けた。