幼なじみ〜first love〜

「け、結婚って…蒼くんが…?嘘でしょ…?」




美々は驚き、表情も身体も固まって動かない…




「そんなの嘘だろっ!?なぁ遊也っ!」




ケンが荒々しく声をあげ、テーブルを一発、拳で叩く…




「…おまえらに…何ができんねん…?もぉ誰にもどーすることも、できひんよ…」




俺は、2人から目を反らし、下を向いた。




ケンや美々の前で

泣いたらあかん




悲しいんも

傷ついてるんも




一番苦しいんは

蒼と絢音や




「……遊也…?おまえ何で…泣いてんだよ…」




せやけど

涙が勝手に落ちてしまう




残酷な運命に…――




俺は、顔を両手で覆った。




「…おまえらは…知らん方がええ…。知らん方が幸せなことってたくさんあるやんか……」




溢れ出した涙が

止まらん




声を押し殺しても

震える手




「俺は…ずっと絢音を好きやった。本気で自分の女にしたいって思ったこともあった…」




せやけど……

いつも君は




アイツが全てやった




「間違えもした…親友を裏切るなんて…せやけど、俺もおまえらと同じ気持ちやねん…っ!蒼と絢音、2人に幸せになってもらいたいねんっ」




だから俺は

蒼に許しを……