部活が始まる前に、サッカー部の顧問が、部員をグラウンドに集合させた。




「えー、部活を始める前に、マネージャーを紹介するぞ」




――嫌な予感がした。




「一年の、夏川 栞だ。夏川…挨拶しろ」




……げっ!




「夏川ですっ!頑張りますので、皆さん可愛がってくださいねっ?」




何でマネージャーを可愛がらなきゃいけねぇんだよ?




夏川は、満面の笑みで俺を見ている。




……俺、苦手なんだよな…コイツ……




「おいっ…!栞ちゃん絶対に蒼が目当てでマネージャーになったな」




ケンが小声で俺に耳打ちする。




「うるせぇーよ、サル…」




「サルじゃねぇし!…モテる男は…つらいねぇ〜」




ふざけやがって。ケンのやろう…部活中じゃなきゃもう一回飛び蹴りしてたぜ。




夏川がマネージャーか…


めんどくせぇことにならなきゃいいけど……




俺の嫌な予感は、的中するんだ。