――…17才、

パパとママが離婚した。




空港で蒼を見送った日から、3ヶ月以上が経っていた。




“俺から連絡するから…”




そう言っていた蒼からの連絡はなく、


それでも、あたしからは連絡はしなかった。




“蒼のお母さんのせいで、うちの親が離婚した”




心のどこかで、そう思ってる自分がいたから。




蒼には、言えない。

蒼を傷つけるだけだから。




それでも、嘘をついて、明るく振る舞えるほどの気力はなかった。




だから、その頃は、蒼から連絡がないのは、都合がよかった。




悲しくて

寂しくて


毎日、毎日…泣いていた




あたしは


ママを捨てた……―――。



あんなに
愛情いっぱいで育ててくれたのに……




どうしてあたしは、そんな酷いことができたのだろう…?




パパのせいでこんなことになった…

パパなんか嫌い…

大嫌い……




それでも、何もできないパパをひとりにすることはできなかった。




パパだけじゃない…

あたしもまだ何もできない子供だった




子供だったから

どちらかを
選ぶしかなかった……




『ママ…あたしは……パパと暮らす……この家でパパと暮らすから……』




ママは、涙を流さなかった。ただ…呆然とあたしを見つめていた…。




そして、ママは家を出て田舎の実家に帰った。




ママ…ごめんね




あたしはママと、守れない約束をした…―――。