ザザザ…ッ…ザー…―――


ザーッ……―――




あたしは、どうやってここまで来たのか…よく覚えていない




足が勝手に、この場所へと……




浜辺に座り、夜の海をただボーッと眺めていた。




目を閉じると浮かんでくる。




蒼の顔や


冷たい言葉……




蒼の…彼女のこと……




胸が締め付けられて、痛い……


痛い…痛い…


苦しい……―――




夜の海…


光は
空に輝く星屑たちだけ




波の音しか聴こえない




足が砂に埋もれて

抜けなくなりそう……




こんな真っ暗な世界で


あたしは生きて行くんだろうか……




蒼を信じてた

信じてたよ…けど




「蒼のせいだけじゃない……あたしも…悪かったんだ……」




3年の間……

あたしが蒼に連絡したのは




たった一度だけ……




あたしは、蒼と二人で過ごした別荘から帰ってきた後のことを思い出していた……




あれは17才……




パパとママを

大嫌いになった時……―――