公園で俺は、どのくらいの時間、

夜空を
見上げていたのだろう……




涙が

こぼれ落ちないように




ふたつ星を

見失わないように




絢音の幸せを

ただ祈るように……―――。




俺は、ズボンのポケットから携帯を取り出した。




ピッ…ピッ…




“絢音

090―××××―××××”








“消去”




ピッ…―――。




……………




「…もしもし?…遊也?」




“…蒼か…絢音と会うたんか?”




「…うん……会った…」




唇が震える。




“…蒼…大丈夫なんか?大丈夫なわけ…ないやんな…”




「ハハッ…どーだろな」




声の震えを抑えたかった




遊也を困らせるだけだ




俺は、左手の拳を力強く握った。




「なんてな…。俺は…へーき」