―――……


電車から眺める窓の外の景色は、オレンジ色の世界に変わっていた。




夏の夕暮れは


蒼と最後に行った




夏祭りのことを思い出させる……




浴衣を着て

手を繋いで




ドキドキしていた


あの16才の夏を……。




あたしは、遊也にもらったメモを元に、蒼の住む場所へと向かっていた。




ガタン…ゴトン…――




各駅電車に揺られながら、あたしは、蒼との日々を思い出していた…――。




嘘だって

何かのまちがいだったって……




きっと

あたしを抱き締めてくれるよね…?




蒼……話したいこと


たくさんある




いま…

会いに行くよ……――