店に来て、何時間経ったのか…




カウンターで俺は、頬杖をつきながら、焼酎のロックを片手に持ち、グラスを揺らして氷で音を立てていた。




「……なぁ、おっちゃん……」




「んー?」




小さな居酒屋だから、暇な時おっちゃんは、俺の話相手になってくれる。




「…すーんごく好きやったヤツのこと…どうすれば忘れられるんかな……」




絢音には…


“俺がいつか…蒼のこと忘れさしたるから……”




ああやって言うてしもたけど……




絢音が蒼を

忘れることなんて




一生ないんやないかって……




アイツらは


誰から見ても




永遠やった……―――。




運命って言葉を


赤い糸ってやつを




信じたくなるような


2人やったから