どこまでも続く青い空




見渡す限り山々に囲まれて




緑色をした広い高原に




爽やかな涼しい風が吹きぬける……




「絢音っ!ほら…でっけぇ虫〜っ」




「や〜めて〜っ!!」




虫が嫌いな絢音を、俺はふざけて追いかけ回す。




昔を思い出していた…




よくこうやって…

2人で追いかけっこをして




走り回っていたことを…




「やめてってばぁ〜!」




「やめねぇ〜!!」




笑い声がいつも絶えなかった…




あの頃を思い出していた




「や゛めて〜(泣)」




絢音がマジ泣きする数秒前に俺はいつもやめる。




「蒼のバカぁ〜!鬼っ」




膝を抱えて、スネる絢音。




「おまえいつまで虫嫌いなんだよ…」




「これからもずっと!永遠にっ!」




小さい子供かよ…




「そこまで嫌われて…虫も可哀想にな…。虫だって生きてんのに」




「だって…アイツら、行動が予測不能だしっ!」




絢音は、虫のことになると、口調が悪くなるのも相変わらずだった。




「はぁ〜。本当、アホみたいなおまえ見てると…何もかもが笑えてくるな」




「アホって何よっ…しかもそれ褒めてないでしょ?」




「褒めてるよ…おまえがいると、俺は笑顔になるってこと」




「うまく丸めこまれた気がする…」




「絢音…肩に虫…」




「ギャァァァァ…!!」




絢音は、涙目で走り回っていた。




「どこどこ…!?取ってよぉ〜蒼〜っ」




「…嘘だって」




「蒼のバカぁぁぁ!!」




絢音が可愛くて




ついイジメたくなるのは




俺も昔から変わってねぇなぁ……