学校の正門を出ると、制服のポケットの中の携帯が鳴った。




ピロリロリ〜…―――♪




この着信音は、蒼からだ……!




携帯の画面に映った蒼の名前を見ただけで…たったそれだけで涙が零れた…




「…っ…蒼?」




“…絢音?…何泣いてんだよ…”




「だ、だって…もぉ…連絡くれないかと…思って……あたし…酷いこと…したから……」




蒼の声が


こんなにも愛おしく感じる




“絶対に連絡するって…言っただろ…?”




「うんっ…。でも…どうして…今の時間に…電話くれ…たの…?そっち…真夜中でしょ…?寝てないの…?」




蒼の声が聞けただけで




すごく嬉しいよぉ……




“今…夕方だよ…”




「…えっ?あぁ…こっちは夕方だよ…?」




“バーカ……絢音!…後ろ向けっ”




え…っ?後ろ…?




後ろを振り向くと




………携帯を耳にあてている彼が立っていた。




嘘…でしょ…?




これは…夢だよね…




きっと……




カシャン……―――!!




あたしは、持っていた携帯を地面に落としてしまう。




「絢音…っ」




夢じゃない…




「蒼…っ!」




あたしは、蒼の胸に飛び込んだ……――。