「遊也のこと、大好きだったから…いっぱい泣いて、泣きまくってスッキリした」




瑠奈の両手は、あたしの手をぎゅうっと握る。




「いつかこういう日が来ること、初めからわかってたし…だからもう…平気」




「瑠奈…本当にごめんね」




あたしは涙がこぼれそうになり、下唇を噛んで堪えた。




「遊也は…本当に絢音のこと想ってるよ…?遊也じゃ…ダメなの…?」




「………ごめん」




あたしはただ、謝ることしか出来なかった。関係のない人まで傷つけて、振り回して、あたしは何をやっているんだろう。




「遠距離の彼氏…水嶋くんだっけ…?」




「…うん」




「やめたっ!余計なこと言うのやめるわっ!ごめんっ」




瑠奈は立ち上がって、あたしに背を向けた。




「瑠奈が謝ることなんて、ひとつもないよ。瑠奈は何も悪くないんだから…」




「絢音、今日呼び出したのはね、仲直りしたかったの。あたし気まずい空気とかめんどくさいし…」




そう言って瑠奈は、あたしの方に振り向き、明るく笑ってみせた。




「あたしはもう大丈夫だからさっ。絢音と、せっかく同じクラスになったんだもん。まだ一学期だしさ…仲良くやろーよっ!そんだけっ!じゃーね」




「ちょっ…瑠奈ってば…」




瑠奈は、その場から足早に去っていった。




瑠奈……ありがと




あたしは皆に酷いことをしたのに……




皆はあたしに優しさをくれる……




神様……




だからあたしは罰を受けるのですか……?