「絢音、ちょっといい?」




放課後、あたしに声をかけてきたのは、瑠奈だった。




遊也の彼女だった瑠奈…あの日、あたしのせいで2人を別れさせてしまった。




瑠奈の後を追って屋上にやってきた。




「ごめんなさい…っ!ずっと謝りたかった…けど…」



あたしは、地面に膝をつき、顔を上げ瑠奈を見つめた。




「……ホント…っ…最悪」




瑠奈は腕を組み、深くため息をついた後、あたしを見下ろした。




「…本当にごめん…、謝って許されることじゃないけど、本当にごめんね…っ」




あたしは…




本当にたくさんの人を傷つけた……




「絶対に許さないから…」




「……瑠奈」




「なーんてねっ!嘘よっ」




「…へっ…?」




瑠奈の表情は、パッと変わり笑顔になった。




「そりゃショックだったよ…たくさん泣いたし…、あの日、美々の家にも押しかけちゃった。けどね…遊也がアンタを好きなのは、付き合う前から知ってたから…」




瑠奈は、あたしの目の前でしゃがみこんだ。




「遊也と付き合う前から…ううん、付き合っていてもずっと…片想いだったから」