幼なじみ〜first love〜

「ケンちゃん…あたしに出来ることなんて、何もない…」




「絢音っち…それ本気で言ってんのか?」




あたしは、小さく頷いた。




「な…っ!見損なったよ…!もう…みんな勝手にしろ!」




バタンッ…―――!!




ケンちゃんは、乱暴にドアを閉めて、帰っていった。




「…絢音…大丈夫か…?」




遊也が、あたしの手を握る。




「遊也…あたしもう…どぉしたらいいかわかんなくなっちゃった…」




「……蒼の状況知ったら、そらそうやろ…」




「…ごめんね…遊也」




それだけじゃない




遊也にだけは

甘えちゃいけなかった




この人を悪者にしちゃいけない…―――




「俺は…蒼がずっと…羨ましかったんや……」




遊也は、あたしの手を引き寄せ抱き締める。




「俺は…最低だって言われてもええ…。おまえがおったら…」




「…ごめんね」




あたしは遊也の身体を、そっと離した。