幼なじみ〜first love〜

「よくも蒼を…裏切るようなこと……」




「やめてっ!ケンちゃん…!遊也は何も悪くないっ!だから……だから遊也をもう殴らないで……」




あたしは必死にケンちゃんの足にしがみついた。




「蒼は…家族がいない俺の為に…理事長に頭下げてくれたんや…。金だけ与えるんやなくて、たまには会話してあげてくれって…」




そんなこと全然知らなかった…




「蒼のヤツ…俺が知らん思うて…ケンから聞いとったのに。俺の前では、カッコつけやがって何も言わへんねん…。」




蒼はそういう人だから。




「陰で俺のこと、いつも心配してくれてたんや…。全部ケンから聞いて知っとるっちゅーのに」




「蒼と遊也、ふざけてケンカばっかりしてたけど、本当は誰よりも仲良かったんだ」




蒼…あたしに遊也のこと全然言わなかったのに…ケンちゃんはちゃんと知ってた。




「蒼は大事な友達や…せやけど、俺かてどーしたらええかわからんねん…!」




遊也の目には、涙が溢れていた。




「絢音が好きなんや……。初めてなんや…こんなにひとりの女のこと、好きになったんは…」




遊也……


ごめんね……




あたしは…一番頼ってはいけない人に頼ってしまったんだね……




遊也を

罪に巻き込んでしまった




あたしは

許されない罪を犯した……―――