ふと目を覚ますと、まだ部屋は真っ暗だった。まだ夜なんだということを知る。




あたしの隣で遊也は、寝息をたてて眠っている。




あたしは床に落ちていたシーツで、自分の裸の身体を包んだ。




蒼を裏切って…


別の人に抱かれた




汚くて、最低なあたし




でも、これでよかったんだ。




あたしと蒼はもう、サヨナラするのだから。




軽蔑され、嫌われればいい。




「痛っ…」


床に落ちていた香水の瓶が足に当たった。




これは…遊也が蒼からもらったって言ってた香水…。




あたしは、その香水を自分の手首に吹きかけた。




一瞬で広がる、蒼の香り………。




「蒼…ごめんね」




こうするしかなかったと言い訳するバカなあたしを




憎んで――




「…ぅぅ…っ…」




遊也が目を覚まさないように、声を殺して、朝まで泣いた……――