「遊也?軽くなんか作ろっかぁー?」




瑠奈が、台所から顔をひょこっと出して微笑む。




「そやなぁ…今日バイト忙しくてなぁ、まかないそんな食えへんかったし…」




「パスタでも作ろっかな」




「あぁ、頼むわ…」




瑠奈は満足そうに、手でオッケーと答え、冷蔵庫の中をあさりはじめた。




「絢音に飲み会中止の電話せんとな…」




俺はソファーに寝っころがり、絢音の携帯に電話をかけた。




プルルルル…

プルルルル…




出ないやんけ…アイツ




呼び出し音が鳴り続ける。




「…絢音…何してんねん…」




プルルルル…

プルルルル……プッ…“………”




「絢音?今日の飲み会なんやけど……絢音?聞いとるんか?」




“………ザーーッ…――”




雨の音しか聞こえへん…




「…おまえ、外におんの?」