パパの部屋を出ようと、ドアノブに手をかけた。




「パパ…言っておくけど、あたしは蒼とは別れないから」




「絢音…それだけは頼むから、言うこと聞いてくれ」




「裏切ったパパが、あたしに何か言える権利なんてないっ!」




あたしが睨むと、パパは目を剃らした。




「どうして…?パパのせいで何であたしたちが…別れなきゃなんないの?」




「……それは」




パパと蒼のお母さんが不倫をしていた。それが終わったことだと言うなら、なおさらあたしたちには何も関係ない。




そんな汚い見苦しい愛で、あたしたちの純粋な愛を壊させはしない。




不倫は罪なのだから。パパは法を犯したんだよ。




「蒼はな…」




パパの声に、ドアノブを回した手を止める。




「蒼は……パパの子供かもしれない……――」




今…何て言った…?




蒼が…パパの子…?




あたし頭おかしくなったの?何か聞き間違えたの?




「嘘……でしょ…?」




そしたら、あたしたち……



「……あたしと…蒼は……兄妹って…こと……?」