「俺は…強くなりたい……」




涙を流す沙羅の頭をポンポンと叩いた。




「正直、沙羅の気持ちすげぇ驚いた。今まで全然気づかなかった。ごめんな。…でもさんきゅ。沙羅がくれた言葉、忘れない」




「蒼……」




「でも俺、絢音しか考えらんね」




過去も

現在も

未来も




俺の愛する人は

たったひとり…――。




「俺は…もっと強くなる。絢音を大切にしなくちゃいけないんだ…」




俺はひとりじゃない




どんなに遠く離れていても

俺の心にはいつも、絢音がいる……




「…沙羅は…蒼に何もしてあげられないの…?」




沙羅は俺の腕をギュッと掴んだ。