俺が外に出て周りを見渡すと、道路沿いのヤシの木のそばに立つ街灯に、沙羅は寄りかかって立っていた。
「こんな時間にどーした?」
俺は沙羅の元に駆け寄る。
「うん…」
沙羅は、なんだか気まずそうに俯く。
「沙羅?」
俺が沙羅の顔を覗くと、沙羅は真剣な瞳で俺を見つめた。
「…蒼…もしかして…泣いてた…?」
「…泣いてねぇよ」
「蒼の目…赤いよ…?」
街灯の光でちょうど顔が照らされる。俺は目を逸らした。
「目が赤いのは、眠いだけ……」
――――………
一瞬…何が起きたのかわからず、頭が真っ白になった。
目の前には…目を閉じた沙羅の顔。
唇に柔らかい感触。
バニラのように甘い沙羅の香りが広がる。
「こんな時間にどーした?」
俺は沙羅の元に駆け寄る。
「うん…」
沙羅は、なんだか気まずそうに俯く。
「沙羅?」
俺が沙羅の顔を覗くと、沙羅は真剣な瞳で俺を見つめた。
「…蒼…もしかして…泣いてた…?」
「…泣いてねぇよ」
「蒼の目…赤いよ…?」
街灯の光でちょうど顔が照らされる。俺は目を逸らした。
「目が赤いのは、眠いだけ……」
――――………
一瞬…何が起きたのかわからず、頭が真っ白になった。
目の前には…目を閉じた沙羅の顔。
唇に柔らかい感触。
バニラのように甘い沙羅の香りが広がる。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)