隣を歩く蒼の制服姿を見て、高校生になったんだなと一層実感する。
紺色のブレザーに、中には白いYシャツ。
緩めに締めた、青のネクタイ。
グレーのズボンをルーズに履きこなしている。
髪は茶色に染め、ワックスで少し立たせている。
蒼は、中学の時より一段とカッコ良くなっていた。
中学の制服だった学ランと、ブレザーじゃ印象もだいぶ違う。
毎日見ているのに、日に日に男らしくなってゆくのがわかる。
だってほら。また、すれ違う通行人が蒼を見て振り返った。
蒼の顔を見ていたら、目が合ってしまった。
「…何だよ?」
「何でもないっ…」
慌てて目を反らしたけど、胸の鼓動は速くなるばかり。
「…蒼さぁ…また背ぇ伸びたでしょ?」
「んー?あぁ…そーかも」
「いいなぁ…。あたし全然伸びないんだもん。また蒼との差が広がっちゃう…」
何故なら、あたしは背が小さいのが悩み。
「…絢音は小さい頃からチビだかんな。牛乳飲めっ」
蒼が、あたしの頭をくしゃくしゃっと掻き乱す。
「もぉ!せっかく髪ブローして綺麗にしてきたのに…っ」
「うっせぇな…早く行くぞ?」
この気持ちを伝える日は、いつか来るのだろうか。
この関係は、居心地が良すぎるから。
蒼の特別な女の子になりたい。彼女になりたい。
そう願っていても、幼なじみという関係が壊れるのは怖い。
「蒼ってば、待ってよぉ!」
蒼の腕に勢いよく、しがみついた。
「………重い」
「…重いっ!?…ダイエット中なのに」
あたしは甘い物が大好き。女の子ならきっと皆そうだよね。
「本当か?残念だな。駅前のクレープ屋、今日から新商品発売って…」
「行くっ!」
「おまえ…ホントに意思弱いな」
呆れ顔の蒼に、満面の笑顔を向けた。
紺色のブレザーに、中には白いYシャツ。
緩めに締めた、青のネクタイ。
グレーのズボンをルーズに履きこなしている。
髪は茶色に染め、ワックスで少し立たせている。
蒼は、中学の時より一段とカッコ良くなっていた。
中学の制服だった学ランと、ブレザーじゃ印象もだいぶ違う。
毎日見ているのに、日に日に男らしくなってゆくのがわかる。
だってほら。また、すれ違う通行人が蒼を見て振り返った。
蒼の顔を見ていたら、目が合ってしまった。
「…何だよ?」
「何でもないっ…」
慌てて目を反らしたけど、胸の鼓動は速くなるばかり。
「…蒼さぁ…また背ぇ伸びたでしょ?」
「んー?あぁ…そーかも」
「いいなぁ…。あたし全然伸びないんだもん。また蒼との差が広がっちゃう…」
何故なら、あたしは背が小さいのが悩み。
「…絢音は小さい頃からチビだかんな。牛乳飲めっ」
蒼が、あたしの頭をくしゃくしゃっと掻き乱す。
「もぉ!せっかく髪ブローして綺麗にしてきたのに…っ」
「うっせぇな…早く行くぞ?」
この気持ちを伝える日は、いつか来るのだろうか。
この関係は、居心地が良すぎるから。
蒼の特別な女の子になりたい。彼女になりたい。
そう願っていても、幼なじみという関係が壊れるのは怖い。
「蒼ってば、待ってよぉ!」
蒼の腕に勢いよく、しがみついた。
「………重い」
「…重いっ!?…ダイエット中なのに」
あたしは甘い物が大好き。女の子ならきっと皆そうだよね。
「本当か?残念だな。駅前のクレープ屋、今日から新商品発売って…」
「行くっ!」
「おまえ…ホントに意思弱いな」
呆れ顔の蒼に、満面の笑顔を向けた。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)