幼なじみ〜first love〜

「……美月には…わからへんよ」




自分でもどうしてこんなに惹かれるのか、わからへんのに…




「あの子を好きなままでいいから……傍にいさせて…」




泣きながら俺の腕を掴んだ美月の手は、力のないなんとも弱々しい手だった。




「おまえもプライドくらいないんか?…ごめんな……俺、もう行かんと…」




「プライドなんて何も意味もない…」




「また誰かのこと…好きになれるて、美月ならな……。俺よりええ男なんて山ほどおるわ」




掴まれた腕をそっと離し、俺は美月を置いて、その場を去った。








俺は

誰かを傷つけてまでも




自分を守ろうとしてる




哀しくて

孤独で……




悲しくて

愛したくて……




寂しくて

弱くて……




淋しくて

愛されたくて……




俺は

出口のない闇を歩き続ける……――。