幼なじみ〜first love〜

美月をその場に残して去ろうとしたら、美月が後ろから俺にしがみついてきた。




「遊也……」




「俺が、美月と付き合うたんは、美月に彼氏がおったからなんや…」




「…え…?…そんな…知ってたの…?」




「高1の夏…おまえに告られるちょうど2、3日前やったかなぁ…彼氏と腕組んで仲良さそうに街歩いてんの偶然見かけたんや。同じ高校の子やなぁーぐらいしか美月のこと思わへんかったけどな」




「…だったらどーして?どーして付き合ったのよっ!?」




美月は叫びながら両手の拳で、俺の背中を叩き続ける。




「俺は自分の為に…美月を利用しただけや…」




孤独から

逃れるために



誰かのぬくもりを

感じていたかった



また同じこと繰り返してるんやろーか



どーしよーもなかった昔の俺と




「彼氏とは…遊也と付き合って1ヶ月後に、別れたよ。重なっててごめんね…でも遊也のことがホントに好きだって思ったから……」




「おまえは、付き合っていくうちに、俺がおまえに対して気持ちがないこと気づいたんやろ?せやから別れるって言うたんやろ?それでええやん…」




「…あたしが軽い女だって思ったから付き合ったの…?」




「…そうや」




美月は、泣いたまましゃがみこんだ。




誰でもよかったんや


めんどくさくない女ならな……