「ケン…俺が絢音を好きなん…気づいてたんか?」




遊也は、その場に寝っ転がって、俺を見つめた。




「わかるよ…遊也は、絢音っちにだけ態度ちげぇし…蒼がいた頃からだろ?」




「ケンは鋭いなぁ…しかも俺いま、ちゃんと彼女おるのに」




遊也は太陽が眩しかったらしく、バサッとタオルを自分の顔の上に乗せた。




「美月の時も、瑠奈と付き合ってんのも…絢音っちを忘れようとして…?」




「それも…少しはあるやろな。それに…絢音は蒼の彼女でもあるからな」




「俺はさ…絢音っちも…遊也も蒼もダチだからさ……何もできねぇけど…おまえらみんなが幸せだったらいいなって思う……」




何もできないくせに



俺は、何でこんなこと遊也に聞いたんだろう……




「…絢音のこと今も好きやけど…でも蒼と幸せでいて欲しいって思うんや。蒼が好きな絢音が好きなんかもしれへんし…俺もよくわからへんわ」




「なんか難しいこと言うな……蒼が好きな絢音っちが好きって?」




「わからへんけどな。それに俺も…前に進まんとあかんとも思うしな」




「そっか…別に彼女無理して作らなきゃいいのに」




「せやけど、俺なぁ…誰かおらんとあかんみたいなんや…」




タオルの下に隠された遊也の顔…いまどんな顔をしてるんだろうか。