「………絢音?」




「んっ?何?」




美々ちゃんに呼ばれて、ハッと目を覚ます。




「…さっきから、ケータイ鳴ってるよ?」




テーブルの上で、マナーモードにしたままのケータイが振動していた。




画面を見ると、懐かしい人からの連絡だった。




高校卒業以来だから…2年ぶりかな……




「…もしもし?…遊也?」




“…絢音…久しぶりやな……”




「うん……」




“今晩ちょっと会えへん?”




「………どしたの?」




“おまえに話あるんや……”




待ち合わせの時間と場所だけ告げて、遊也は電話を切った。




「…遊也から?久々だね…」




「うん…なんか今晩、話したいことあるって……」




「そっか…せっかくだし行ってきなよ」




「美々ちゃん…遊也の話って…なんだろうね……」




遊也とは、高校卒業して以来、会っていなかった。