―――1ヶ月半ほど前の夜だった。 ピロリロリ~…―――♪ 久しぶりに聞く着信音に、一瞬、驚いて心臓が止まった気がした。 ピロリロリ~…―――♪ この音は、蒼からの着信音。 あたしは息を飲み、震えた指でボタンを押した。 「……はい」 “俺……” 「うん………」 蒼の声…、いつぶりだろう……? ――――……… ……………… …いま……何て………? “……好きな女ができたんだ。俺ら…もう終わりにしよ” 待ち焦がれた電話から、別れの言葉……… 蒼に好きな人が出来るなんて 思いもしなかった