「蒼ーーーっ!」




どんなに泣いても


どんなに叫んでも




蒼は行ってしまう……




あたしは、ホームの先まで必死に走って、蒼の姿を追いかけた。




電車はあっという間に見えなくなり、あたしはその場に泣き崩れた。




「絢音……っ」




美々ちゃんは、泣きじゃくるあたしを抱き締めてくれた。




「美々ちゃ…っ…蒼が…行っちゃったぁ……っ」




どれだけ泣いても

もう蒼は




遠くへと……




「あたしたちがいるよ……」




美々ちゃんも泣いてた。あたしの頭をそっと撫でながら、泣いてた。




遊也もケンちゃんも、大丈夫だって…涙を流していたけど、笑顔で言ってくれた。




「…ありがと……」




蒼…あたしには

みんながいた




こんなに優しい仲間が

いつもそばにいた




でも…蒼は?




蒼は…ずっとひとりぼっちだったね




ごめんね…蒼




蒼に苦しみを

与えたのはあたしだった




あたしは罰を受けるんだ…―――。








どれだけ涙を流しても




夏の終わり


神様は

大切な人をさらっていく……―――