―――ガタン、ガタンッ…ゴォーーー…―――




電車がホームに入ってくる。




俺たちは、何も言えないまま…ただ見つめ合っていた。




「蒼っ!」




遊也の声が聞こえ、ケンと高梨も息を切らして走ってきた。




「おまえら…」




見送られたら…行けなくなるじゃんか。




「こぉのドアホがっ!俺もケンも原付なかったら間に合わんかったやんか!」




遊也に、思いっきり肩を殴られる。




「ハハッ…わりぃ」




「…笑いごとちゃうで…ホンマ…。蒼…元気でな?」




「おう」




遊也と、拳をガチッと合わせた。




「俺ら…どこにいても友達だかんな?ちゃんと連絡よこせよ…」




ケンは目をごしごしと腕で拭っている。




「…ケン泣くなよ」




「泣いてねぇよ…誰が泣くかっ」




ケンは俺の顔を見ずに、大きな封筒を俺の胸に押し付けた。




「何だこれ…?」




「…あとで開けてみて?蒼くん…アメリカ行っても頑張ってね」




「高梨も元気でな?ケンと仲良くな…」




「うんっ」




高梨と、笑顔で握手をした。




「んじゃ、俺らちょっと後ろで待っとくわ」




そう言って遊也は、ケンと高梨の背中を押して、少し離れた場所に移動した。




俺と絢音に気を遣ってくれたのだろう。