今日は、8月30日。 蒼が出発するまで、あと1日…――。 ドアが少しだけ開いていた蒼の部屋をのぞく。 「もう荷物の整理は、終わったの?」 蒼の部屋の中には、ダンボールが5個置いてあるだけだった。 「うん」 時計をちらっと見ると、夜の9時を過ぎた所だった。 明日のお昼には、蒼が出発してしまう。 1日がもっと長ければいいのに… 蒼はもうすぐ行ってしまう… 「絢音…ヒマ?」 蒼が笑顔であたしに聞く。 「えっ?うん…」 「俺、出発する前に行きたいとこあんだけど…」