温かい風呂の中で、俺に後ろから抱かれてる絢音は、一度も俺の顔を見ない。




「こうやってさ…風呂とか一緒に入ったりしてるとさ、俺たち夫婦になったみたいだよな……」




「……うん」




絢音は、前を向いたまま小さく頷いた。




「高校入って一緒に暮らすことになって…絢音は最初ちょーイヤがってたよな。生まれた頃から一緒に暮らしてたようなもんだったのにさ」




「だって…蒼のこと好きだったから……ドキドキしちゃって…」




絢音の白い透き通った肌が、ほんのりピンク色に染まっていく。




「俺だって…好きだったよ」




「……ブクブクブク…ッ…」




絢音の顔が、半分ぐらいお湯に沈んだ。




「絢音…いいかげんこっち向け…」




「だって…恥ずかし……んっ…」




絢音が後ろを振り向いた瞬間に、キスで唇を塞いだ。




絡まる舌が

少しづつ熱を帯びていく……








絢音が愛しくて

この程よい温度にさえ




めまいを感じる…―――