幼なじみ〜first love〜

「いいかげん泣き止めよ…とっくに映画終わったんだぞ?」




映画館の近くのカフェに俺たちはいた。絢音がティッシュで鼻をかみ過ぎて、テーブルの上は丸められたティッシュでいっぱいになっていた。




「感情移入しすぎなんだよ…」




映画を見終わっても、絢音はまだ泣き続けていた。周りの視線を感じる。俺が泣かしてるみたいに思われてるんだろーな。ったく。




「…っ…っく…蒼は…幽霊なんかじゃ…ないよね…?」




「おまえ、バカにもほどがあるぞ?16年間、おまえは幽霊と一緒に過ごしてきたのかよ…」




純粋なんだか…バカなんだか…




「…よかった……っ……っく…フフッ……」




「泣くか笑うか、どっちかにしろ…ったく…」




俺はオレンジジュースを一気に飲み干した。




「買い物でもして…ぼちぼち帰っか?」




「…うんっ」




手がかかる…こんな絢音だけど、俺にとっては可愛くて仕方がない。そんなこと本人には絶対に言わないけど。




「泣いたら、マスカラ取れたぁ〜っ」




絢音の目の周りがパンダみたいに黒くなっていた。




「おまえがオバケじゃん」




「なっ…蒼ってばぁ!」




絢音が好きという気持ちは

変わらない……




けど…


おまえを苦しませるなら…俺は…