最後は何十発もの花火が一気に打ち上げられ、迫力はもちろん、これ以上ないくらい綺麗に咲き誇る大きな花びらに目を奪われた。
しばらくその場から動けなかった。夜空に消えていった花火。その余韻に浸っていた。
「終わっちゃったね…」
なんだか、すごく淋しくて。来年の夏までもう、花火は見られない。
「来年もまた、みんなで花火見ようねっ!」
笑顔で振り返って言うと、皆は、あたしから目を逸らして黙っている。
「どうしたの…みんな…」
なんだか皆の様子がおかしい。何であたしと目を合わせてくれないの?
「蒼…まだ言うてへんかったんか?」
遊也は、頭を掻きながら気まずそうな表情で蒼に聞いた。
…なに…何のこと…?
「わりぃ…おまえら先帰ってくんね?」
不安げなあたしの顔を横目に、蒼は皆を先に帰るよう促した。
「お、おう…じゃーな…」
遊也とケンちゃん、美々ちゃんの三人は、あたしに軽く手を振って、帰っていった。
「…絢音……」
蒼は、あたしの手首をぎゅっと掴む。その瞳はいつになく真剣で、蒼の表情には笑顔もなかった。
「なに…?蒼…」
何でそんな哀しげな顔をしてるの…ねぇ…蒼…。
「俺さ……アメリカに行く」
一瞬、
世界が止まった気がした
あたしの心臓の音だけが、この耳に聞こえたの…――。
しばらくその場から動けなかった。夜空に消えていった花火。その余韻に浸っていた。
「終わっちゃったね…」
なんだか、すごく淋しくて。来年の夏までもう、花火は見られない。
「来年もまた、みんなで花火見ようねっ!」
笑顔で振り返って言うと、皆は、あたしから目を逸らして黙っている。
「どうしたの…みんな…」
なんだか皆の様子がおかしい。何であたしと目を合わせてくれないの?
「蒼…まだ言うてへんかったんか?」
遊也は、頭を掻きながら気まずそうな表情で蒼に聞いた。
…なに…何のこと…?
「わりぃ…おまえら先帰ってくんね?」
不安げなあたしの顔を横目に、蒼は皆を先に帰るよう促した。
「お、おう…じゃーな…」
遊也とケンちゃん、美々ちゃんの三人は、あたしに軽く手を振って、帰っていった。
「…絢音……」
蒼は、あたしの手首をぎゅっと掴む。その瞳はいつになく真剣で、蒼の表情には笑顔もなかった。
「なに…?蒼…」
何でそんな哀しげな顔をしてるの…ねぇ…蒼…。
「俺さ……アメリカに行く」
一瞬、
世界が止まった気がした
あたしの心臓の音だけが、この耳に聞こえたの…――。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)