夏の終わり…


あたしは再び大切な人を失う…―――。







―――……


梅雨も明け、ギラギラと照りつける太陽に、白い入道雲。鳴り止まない蝉の声。




高校生になってから、3ヶ月が過ぎようとしていた。




「あ゛〜つ〜い〜よぉ〜〜。教室にクーラー付けて欲しい〜〜っ」




あたしは、ノートをうちわ代わりにして、必死に扇ぐ。




「ホント…もぉ〜夏だね〜っ」




美々ちゃんは、眩しそうに窓の外を眺めた。




美々ちゃんは、あれから少しづつ元気を取り戻して、今では蒼、遊也、ケンちゃん、美々ちゃん、あたしの5人でいることが、あたりまえになっていた。




「夏祭り今年もみんなで行くかぁ〜♪遊也も誘って5人でさ」




一足先に浮かれ気分のケンちゃんは美々ちゃんとあたしの肩を抱いて言った。




「そぉしよぉーーっ♪」




もうすぐ夏休みが始まる……


そして、毎年この町が主催している夏祭りと花火大会をあたしたちは、楽しみにしていた。