なっ…遊也、足速い…交わすのうまいし…




「ハァハァハァ……おまえ、その瞬発力…ハァ…すげぇな……」




俺は膝を押さえ俯き、息を切らしていた。




遊也は、すごく運動神経が良いようだ。




「…っハァ…ハァ…蒼の足の速さには…勝てへんよ……タバコ吸っとるくせに…体力あんねんな……」




遊也は力尽きたようで、その場にゴロンと寝っころがった。




「タバコやめねぇとな…」




俺も遊也のそばに腰を下ろす。




「やめられるんか?」




「ん〜微妙」




「なんやそれ」




遊也と目が合い、お互いにフッと鼻で笑う。




「はぁっ…何や…気持ちええな……空がきれぇーや…どこまで繋がっとんのやろ……」




遊也は寂しげな顔をして空を眺めた。




「そのセリフ、おまえに合ってねぇぞ?」




「何言うてんねん、ボケ。蒼、俺はなぁ…案外ロマンチストなんやで?」




「ハハッ…だから合ってねぇって…」




「絢音が言うてくれたんや…俺は、ひとりやないって。せやけど…それでもな、時々やっぱり逢いたくなんねん…死んだ人は空におるって言うやろ…?」




そう言って遊也は

しばらく黙ったまま



空を見つめていた