「どけよ」




俺は絢音と遊也の間を割って、無理やり座った。




「なんや…イケメンボーイは、機嫌悪いみたいやなぁ?」




遊也が卵焼きを口に入れて、満足そうに笑ってやがる。




「その呼び方やめろ」




「ハッハ〜ん?蒼…おまえ、ヤキモチ妬いてんねやろ?」




「なっ…!」




「こんなことでなぁ〜おまえも小っさい男やなぁ。なぁ絢音、こんな男のどこがええねん?俺にしといたらええのに…」




「テメェ…遊也っ」




立ち上がって走り回る遊也を、俺は全力で追いかけまわした。




「ねぇ…ケンちゃん。あの二人…仲良くなれないかなぁ?」




「ん?そうでもねぇと思うよ?ケンカしてても笑ってるし…あいつら案外いいコンビになるかも」




「だといいけど…」




絢音もケンも、ちゃんと聞こえてんだぞ?

誰と誰がいいコンビだって?



絶対にない!




「それよりさ、絢音っち…おめでとうな。蒼と付き合うことになったんだろ?」




「うん…。ケンちゃんにもご迷惑おかけしました…。」




「いいや、全然っ」




「美々ちゃんにも伝えたいんだけど…どう思うかな…?やっぱりまだ言わない方がいいよね…?」