「理事長が親戚って、ホントだったんだね。初めて会った屋上でさ言ってたじゃない?女の子たちに対する脅しだったのかと思ってた…」




「親戚は理事長だけや。金出してくれてんねんもん、感謝せなあかんわ…。ただな…智也もおらん…母ちゃんもおらん…俺、ひとりぼっちなんやなぁ…って…さっき思うてたんや…」




やっぱり…あたしが来た時




泣いてたんだ……




遊也は…見た目は派手でチャラく見えるけど、すごく繊細な心を持ってる。




「遊也は、ひとりじゃないよ…人は絶対にひとりでは生きていけないって……そう大切な人に教えてもらったの」




そう…蒼が教えてくれた




「あたしと友達になろっ?蒼やケンちゃん…美々ちゃんだって…きっと遊也のこと好きになると思うっ」




あたしは、遊也の両手をギュッと握り締める。




「…絢音の好きな人って…蒼やろ?」




「な、何で知って…」




「見とったらわかるやん…」




蒼への気持ちバレてたんだ。遊也があたしを見つめるから、恥ずかしくて目を逸らした。