「それこそ…ほんま…俺が死なしたようなもんや…」




「遊也…」




遊也もあたしと同じように、自分のことを責めて生きてきたのね。




「こっちに来たんは、父ちゃんの兄貴が、うちの学校の理事長やねん。人生やり直す為に受験したんや…」




「じゃぁ…いまお父さんと一緒に?」




「ちゃうよ。父ちゃんは智也が死んでから、すぐに再婚したんや…新しい家族おんねん。」




「新しい…家族…」




「何年も会っとらん…俺、今なぁ一人暮らし、しとるんや…」




無理に笑ってみせる遊也の顔が、なんだかとても悲しそうで、見ているのがツラかった。




蒼もあたしのこと、こんなふうに見えていたんだろうなって、そう思った。




「やり直して、母ちゃんに笑ってもらえるような立派な人間にならんとな…」




「遊也なら、できると思うっ…!」




心から…そう思う




だって遊也は優しいから




さっきの言葉で

あたしがどれだけ救われたか…




人に優しく出来る人は強い心がある人だと

そう思うから……





あたしも頑張ってみるから




「ありがとーな…」