「絢音も、早く家に入りなさいよ」




ママは呆れて、溜め息をついてる。溜め息つきたいのはあたしの方だってば。




「だって…」




一つ屋根の下で…蒼と暮らすなんて…




考えただけで頭おかしくなる。




あたしの心臓がどうにかなっちゃうよ…




「ってことで、今日からよろしくなっ!」




蒼は、玄関のドアから顔をだして、嬉しそうに、してやったりの顔をしていた。




「バカッ!最低っ!変態っ」




「そこまで言わなくてもよくね?」




「うっさい!蒼のおかちめんこ!」




「おかち…おまえもうちょっと気のきいた悪口言えねぇのかよ?」




「まじ、うっさい!」




もう…どうにでもなれっ!




「そんな怒ることねぇだろ…」




あたしを驚かせようと、ずっと黙ってたのね…




ムカつくような、嬉しいような…複雑な気分…。




こうして、隣に住んでいたはずの幼なじみと、今日から一緒に暮らす事になった。




甘い生活が始まるなんて……



そんな甘いあたしの考えは




すぐに覆された