絢音を


俺だけのモノにしたい……



そんな勝手な心で


君を傷つけた




「…ごめん…蒼…離して……?」




俺の腕の中で、絢音の震える小さな声が聞こえた。




「絢音…?」




「蒼…あたし…ひとりになりたいの」




俺は腕を緩め、絢音を離した。




「…保健の先生が戻ってくるまで、ちゃんとそこにいろよ」




「………ん」




絢音は、それ以上何も言わなかった。




俺の顔も見ずに、ただ俯いて、黙り込んでいた。




絢音はただでさえ混乱しているのに、俺がこんなことしてどーすんだよ。




ごめんな…絢音…