―――……




目に入ってきたのは、信じられない光景だった。




「絢音…起きたのか…?」




心配で授業に出るのはやめて保健室に戻ってきたら、ベッドの上で遊也が、後ろから絢音を抱き締めていた。




「あ、蒼…っ」




「絢音…」




何焦った声出してんだよ……




「何でおまえがいんだよ!?」




遊也の腕の中から、絢音を無理やり奪い、俺の後ろに隠した。




「ふざけんな…」




「ちがうの、蒼…」




絢音は俺の背中にギュッとしがみつく。




「絢音には聞いてねぇよっ!」




俺の怒鳴り声で、絢音の身体がビクっと動いた。




「まぁまぁ…落ち着けや。一緒に昼寝しとっただけなんやから」




「テメェ…絢音に近づくな!」




「はいはい…俺は大人やからな。ここは絢音の為にも大人しく帰るわ」




コイツ…何なんだ?
マジでムカつく…!




遊也は俺の前を通りすぎ立ち止まった。




「早く行けよっ」




「おまえら付き合ってるわけちゃうんやろ?」




「おまえに関係ねぇーだろ?」




「…せやったら、絢音はおまえのもん、ちゃうからな?そこはよう…覚えとくんやな」




――…ピシャッ!




勢いよく閉まったドアに向かって俺は叫んだ。




「うっせぇよ!」




なんなんだよ…アイツは。