幼なじみ〜first love〜

「俺の名前は、遊也や。一ノ瀬遊也!」




タバコをふかしながら、金髪の彼はニコッと笑った。




一ノ瀬 遊也(いちのせ ゆうや)…?




「俺はなぁ、智也の“双子の兄貴”や。」




ふ、双子…?




「双子の…兄?でも、あたしたちと同じ小学校じゃないじゃないっ!それに智也に双子のお兄さんがいるなんて…聞いたことない…」




頭が混乱してきた。


同じ顔だと思ったら、双子…?




「それに智也と名字も違うじゃんか」




蒼の鋭い指摘に、あたしも大きく首を縦に振って頷いた。




「小学校入る前にな、うちの親…離婚してんねん。智也は親父とこの町に残って、俺は母ちゃんと大阪に行ったんや」




そぉ…だったんだ…。


じゃあ本当に彼は智也じゃなくて…




あたしは智也だって…智也が帰って来たんだって思ったのに。




「………ごめんなさい…っ」




あたしは、地面に頭をつけて謝った。




「智也が死んだのは…あたしのせいなの……」




「絢音っ…何言ってんだよ…」




蒼が、無理やりあたしの身体を起こす。




「そいつの言うとおりや…何言うてんねん、絢音。しかしなぁ…智也のこと覚えてくれとったんや。ありがとーな」




遊也は、穏やかな顔で、空を見上げた。




まるで…智也に話しかけるかのように……―――。