幼なじみ〜first love〜

「おまえもかい…!せやから、ちゃうって…俺、智也やない」




金髪の彼は、深く溜息をつき、あぐらをかいて座った。




「タバコ吸わしてや…おまえら、人の話も聞かんと騒ぎ立てて…どんだけやねん。この学校、ケンカばっかやなぁ…」




彼は呆れたように笑い、タバコを咥えた。




「ねぇ…智也でしょ!?あたし、絢音だよっ!?忘れちゃったの?」




顔を近づけて間近で見ると、やっぱり似てる。




こんなにそっくりな人がいるわけない……




あの日から




智也が海に消えたあの日から




智也の顔…忘れた事なんてなかった




「お、おまえ…絢音っちゅーの?」




「そぉだよ…智也ぁ…。思い出した?でも生きててくれてホントによかった…あたし…どんな思いで今まで……」




あたしは、智也の身体を力強く抱き締める。




「せやから、ちゃうって。そこのおまえと…おまえも座れや。誤解、解いたるから。絢音も、泣かんで話ききぃや」




あたしと蒼とケンちゃんは、智也ではないという、金髪の彼に向かい合って3人並んで座った。