あたしはショックでその場にうずくまる。




「何でぇ…?何でよぉ…そんな大事なこと…もっと早く言ってくれなきゃ…」




蒼が…遠くへ行っちゃうなんて


考えたこともなかった…。



自然と涙が溢れ出てくる。




「…絢音?泣くなよ…。そんなにうちの親父たちのこと好きだったのか…?」




「おじさんもおばさんも…大好きだよ?だけど…」




蒼のことは…もっと好き…――。




「アメリカなんて…遠すぎるよぉ〜!」




「まぁな…急に決まったから…」




何でそんな冷静でいられるの?酷いよ…。




「本当に急すぎる…バカバカバカぁぁぁーーーっ」




あたしは、蒼の胸を思い切り叩き続けた。




「絢音、痛いって…!」




「…ソーリー…っく…うっ…」




「泣きながら急に英語でしゃべり出すな…」




アメリカに行っちゃう前に…蒼に…あたしの本当の気持ち…――。




気持ち伝えなきゃ…!




離れちゃうなら、振られても気まずくない。




一か八かで伝えよう!




ずっと言えなかった、蒼が好きだってことを。