「それができたら…こんなに悩まねぇよ…」




「情けねぇなぁー蒼」




「自分でもそう思う…」




弱いなぁ…俺。情けない。



“幼なじみ”なんかじゃなかったら、とっくに告ってる。




「まぁ…振られたら気まずいもんなぁ?家、隣なわけだし」




「そーゆーこと」




けど俺は、本当に絢音を好きなんだよ。



俺のものにしたい。



俺だけのものにできたらいいのに…。




「…オレが思うに」




そう言ってケンは、俺の肩に手を置き、いつになく真剣な眼差しで俺の目を見つめた。




「…絢音っちも、蒼のこと好きだと思うけどな」




…絢音が…俺を好き…?




「……絶対にないな。絢音は、俺のこと…ただの幼なじみとしか思ってねぇよ…」




「そうか…?」




「…そうなんだよ。つーか俺を男と思ってねぇんだ」




完全に幼なじみ以上でも、幼なじみ以下でもない。

幼なじみとしか思ってない。




「それにこれから、もっと距離が近くなる。余計に言えなくなんだよ…」




「…あっ!忘れてた!今日から蒼って…」




「…そーなんだよ」




絢音にはまだ内緒にしているが、ケンだけには、話しておいた。




「頑張れよっ!蒼っ」




そう…俺は今日から…――