「…っ…ひっ…くる…し…」




パッと身体を離し、絢音を見ると、息をうまく吸えない状態になっていた。




「絢音っ!?」




絢音は、過呼吸状態になってしまい、苦しそうに俺にしがみつく。




俺は、咄嗟にそばにあったビニール袋を、絢音の口と鼻を覆うようにあてた。




「絢音…大丈夫だ…大丈夫だから」




絢音は過換気症候群で、こういう発作が昔からたまにあった。




医者の話によれば、精神的なストレスによるものらしい。




「………っ…くっ……ひっ…ひっ…」




「大丈夫だから…絢音…」




絢音…混乱するな


あの時のことと




重なって…混乱してるんだろ?




でもな、今回のことも


あの時のことも




おまえのせいじゃない…




絶対におまえのせいじゃないから…




自分を責めるのは、もうやめろ…。