また…会えないのかな。

お母さんに断られそう。




そんなことを考えながら、あたしは、美々ちゃんの家に向かっていた。




「え…?何…?」




遠くから、何人かの人が集まっているのが見えた。



その人混みに近づいてみると、美々ちゃんの家の前に救急車が止まっている。




救急車の中に、美々ちゃんのお母さんが乗り込む姿が見えた。




あたしは、慌てて駆け寄ったけど、救急車は素早く行ってしまった。




「絢音っち…!」




そうあたしを呼んだのは、美々ちゃんの家から出てきた、ケンちゃんだった。




「ケンちゃん!ねぇ…何かあったの!?何で救急車が…」




あたしは、ケンちゃんの体を揺する。




「待ってくれよ…俺だって…いま動揺してんだ……」




いつも冷静なケンちゃんが、頭を抱えていた。




「一体…どうしたっていうの…?」